メスティンの蓋になる鉄板”ロックパン”のシーズニング(油ならし)の方法

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こんにちは、北越金型WEB担当のこばです。

今回の記事では、ロックパンに同封されている取扱説明書だけでは、どういう風にシーズニングを進めていけばいいのかが分からないというお声をいくつか頂きましたので、詳しくご説明させて頂きたいと思います。

ロックパンは黒皮鉄で出来ているということ

まず、前置きとして皆さまにご理解頂きたいのは、ロックパンが黒皮鉄で出来ているという事です。


黒皮鉄というのは、鉄を1000℃ほどの高温で成形した際、鉄が冷える過程で表面が酸化して自然にできる皮膜のことです。

簡単に言えば、酸化鉄ですね。


表面が既に酸化しているので、よくダッチオーブンやスキレットに使われる、型に鉄を流しこんで成形する鋳鉄よりも錆には強いです。

ですので、出荷する際に錆止め剤を塗らなくて済みます。

錆止め剤を塗らないということは、最初の空焼き(錆止め剤の蒸発)が必要ないという事になります。


「じゃあ、既に酸化してるってことは、油ならしも必要ないの?」って疑問が出てきますが、それは残念ながら必要です。

正直、黒皮鉄板(ロックパンではない)を愛用している方でシーズニングをしていない方もおりますので、本当に面倒くさいという方は、やらないのもアリかと思います。
(ダッチオーブンやスキレットのような鋳鉄製のものはやらないとダメです)

ですが、そこはあくまでも自己責任の領域でお願い致します。

なぜかと言いますと、表面が既に酸化しているとはいえ、それはあくまで表面だけであり、更に(温度が下がる過程で)自然にできたものである為、黒皮自体が剝がれやすいのです。


ですので、本格的なシーズニングは必要ありませんが、油ならし程度はやって頂いた方がいいのではと思います。

油ならしの方法

では、具体的な油ならしの方法ですが、結構簡単です!


1.まずは、中性洗剤で表面を洗ってください。

これは、スポンジの柔らかい方で大丈夫です。

洗う理由としては、発送する前に表面に錆止め用として軽く油を塗っている為です。
これは、鋳鉄に塗布されているような錆止め剤ではなく、あくまで油ですので、ダッチオーブンのように空焚きする必要はないのですが、ご使用前に念の為、中性洗剤で洗って頂いた方がよろしいかと思います。

ロックパンの包装時には、袋の中に錆防止専用の紙を同封しておりますが、それでも完璧ではない為、念の為の処置として表面に油を塗布しております。

縁の立ち上がり部分に、油が若干留まっている場合がありますので、意識的に洗浄されることをおススメ致します。


2.洗い終わったら火にかけ、表面の水分を飛ばします(強火)


3.水分を飛ばし終わったら中火にして、キッチンペーパーなどに食用油を染み込ませ、全体に満遍なく塗ります
※縁の鉄(黒皮ではないところ)が露出している所は必ず塗って下さい(下記画像参照)



4.その状態で5分ほど火にかけます(中火)

煙が出てきますが気にしません。

火が側面から回ってこない限りは表面の油に引火しないので大丈夫です。

どうしても怖いという方は、付属のハンドルを使って、時折火から遠ざけてもらっても構いません。

5.5分ほどたったら、もう一度油を塗り(垂らしてもOK)、ニンジンのヘタや玉ネギの外側の1枚(半分茶色くなっている部分)等、捨てる予定のくず野菜を入れます

ロックパン自体がそれほど大きくないので、くず野菜も少しで大丈夫です。(ロックパンLの場合は、くず野菜もそれなりに入れて下さい)


6.その状態で更に5分ほど火にかけます

くず野菜は時折菜箸等で動かしてください。(焦げても問題ありません。むしろ焦がして下さい)


7.5分後、火から下ろして野菜を取り出し、綺麗なキッチンペーパーで表面をふき取ります(縁の立ち上がり部分は特に)
※キッチンペーパーが黒皮の影響で黒くなる場合がありますが、不良品ではございません。熱の影響により、表面の黒皮が少しずつ剥がれてきているだけですので、キッチンペーパーで何回か拭いて頂くと、次第につかなくなっていきます。

8.最後に常温になるまでそのままの状態で冷まし、全体(外側も)に油を薄く塗って完成です(新聞紙等に包んで保管します)
※もし、手順7での黒ずみが少し残っている場合は、この段階で完全にふき取ることをおススメ致します。


こうして文字に起こしてみると手順が多そうに見えますが、時間的には15分ほどですので、ロックパンが届きましたら、即実施されることをおすすめいたします。

15分でもめんどくさいという方は、手順4を飛ばして、いきなりくず野菜を入れて頂いても構いません。これで5分短縮できます。

正直、シーズニングは人によって様々なやり方がありますので、これが正解!というものはありません。

何回か経験した後に、これは必要ない、この手順は絶対必要など、ご自身で取捨選択して頂いても全く問題ございません。

これがスキレットやダッチオーブンなどの鋳鉄になると、もっと念入りにシーズニングを行う必要が出てくるのですが(鋳鉄は本当に簡単に錆びます!)、黒皮鉄の場合はこのくらいでいいかと。

ただ、気になるという方は本格的なシーズニングをググって頂き、実践して頂いた方がいいかもしれませんね。

おまけ



最後に、これはあくまで個人的な感想になるのですが、シーズニングが終わり、ロックパンを実践投入できる段階になりましたら、早い段階でアヒージョに挑戦してみて下さい。


アヒージョは言ってみれば油煮みたいなものですので、ロックパンにより早く油が馴染む気がします。


簡単にレシピをご紹介すると

オリーブオイル(Exバージンではなくピュアの方)  適量
ニンニクみじん切り  2片分
(最悪チューブでもいいですが個人的にはみじん切りがおススメ)
アンチョビ  2枚
(アンチョビペースト5cmでもOK)

↑がアヒージョのベースになりますので、あとはお好きな食材を入れて頂ければOK

例)
しらす+アスパラ(下部画像参照)
赤エビ(剥いた状態)+ズッキーニ
厚切りベーコン+シメジ


食材に火が通れば食べられます。
バゲットなどに乗せて召し上がって下さい!
ただし油なので、確実に口の中が火傷しますのでご注意ください(笑)
動画で見てみたいという方はこちらから




使用後は、常温に冷ましたあとに水で洗って水分をふき取って空焚きし、最後に表面に油を薄く塗って完了です。


ですが、個人的には、アヒージョを作った後は水で洗い流して表面の水分を拭き取ったら、新聞紙に包んで終わりにしてます(笑)

これはロックパンに対する実験も兼ねてなので、自己責任でお願いします!

推奨は、あくまで空焚き後に油を薄く塗るです!

同じことをやって、「錆びたじゃねーか」という問い合わせを頂いても一切受け付けませんのであしからず。。。